『中国旅游研究会』
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明　　代
陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
孝陵 朱元璋（太祖・高皇帝） 洪武 1368-1398 江蘇省南京市鐘山南麓
長陵 朱棣（成祖・文皇帝） 永楽 1402-1424 北京市昌平区明十三陵景区内
献陵 朱高熾（仁宗・昭皇帝） 康熙 1424-1425 北京市昌平区明十三陵景区内
景陵 朱瞻基（宣宗・章皇帝） 宣德 1425-1435 北京市昌平区明十三陵景区内
裕陵 朱祁鎮（英宗・睿皇帝） 正統
天順		 1436-1449
1457-1464		 北京市昌平区明十三陵景区内
景泰陵 朱祁鈺（代宗・景皇帝） 景泰 1449-1456 北京市海淀区金山



明 孝　陵 XIAO LING

陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
孝陵 朱元璋（太祖・高皇帝） 洪武 1368-1398 江蘇省南京市鐘山南麓

南京観光の首とも言える太祖と馬皇后が眠る「孝陵」。象の像を見て納得し、方城明楼へと観光客は急ぎ進んでしまう。
「孝陵」のみどころはまだまだ沢山ある。時間さえ許せば、下記のような場所も散策してみることをおすすめしたい。

●まず「四方城」と呼ばれる碑亭。正式名称は「大明孝陵神功聖德碑」の碑亭。亭の上部は建設後
ほどなく破損してしまったらしい。碑の高さは8.84㍍。碑文は2747字。碑座の亀趺（きふ）もすばらしい。

●次に「宝頂・宝城」だ。2003年3月12日より前に孝陵を訪れた方はここに足を踏み入れていないはずだ。
この日に世界遺産への登録のため、長らく鉄条網に閉ざされていたここ宝頂を一般に開放したのだ。
この年の３月下旬、私はに宝頂に登る為やってきた。海抜129㍍のその頂からは周囲見渡すことができると
事前に情報を得ていたのだが、木々が邪魔して「ジャングルの中」という感じ。
遠い将来、この地下に眠る地下宮殿も公開される日もくると思う。

●最後に孝陵のお隣の陵墓だ。勘違いしないでほしい。「中山陵」ではない！
「太子東陵」だ。孝陵の東に寄り添うように築かれたふた回りほど小さな寝陵だ。
ここには朱元璋の長子「朱標」が眠っている。洪武25年（1392年）朱元璋より先に亡くなってしまった。
朱元璋は数10日間涙を流したという。朱元璋には26人の子どもがいたが、うち7人に先立たれてしまったという。
この時代に皇帝在位31年、71歳まで生きた人物の悲劇とも言える結果だ。

また、この太子東陵は研究が進んでいないせいか、寝陵に関する殿配置や
方位的な謎が多いという。遺蹟内の土台に使用されているレンガには当時の刻字等貴重な
資料も多く見られる。孝陵よりもこの太子東陵および「功臣墓」のほうを重視する歴史家も多い。
「功臣墓」とは南京鐘山を囲うように配置された明建国に貢献した重臣たち（など）の墓である。
「中山王徐達墓」、「開平王常遇春墓」、「岐陽王李文忠墓」、「江国公呉良墓」などである。

▲明陵路…神道途中へ続く
 ▲大金門から四方城をみる
▲石像生群（立石駝：3.68m） ▲石像生群（臥石象：2.93m）
▲神道望柱（6.52m） ▲石像生群（左：石人武将　右：石人文臣　　3.23m）
▲治隆唐宋碑碑殿 ▲孝陵殿
▲方城明楼 ▲明楼から宝頂をみる
▲宝頂 ▲太子東陵遺跡



明 長　陵 CHANG LING

陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
長陵 朱棣（成祖・文皇帝） 永楽 1402-1424 北京市昌平区明十三陵景区内
明十三陵の首陵であり、1995年に設立された「明十三陵博物館」の4分館のひとつである。
一枚目画像の保護単位石板は90年代は巨大な黒看板であった。
長陵といえば「項羽と劉邦」の劉邦墓も長陵である。
「明十三陵博物館」の4分館とは他に「定陵」、「昭陵」、「神道」がある。

▲陵門
 ▲稜恩殿
▲瑠璃花門から方城（明楼）を撮影 ▲左：永楽帝像　右：文皇帝碑



明 献　陵 XIAN　LING

陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
献陵 朱高熾（仁宗・昭皇帝） 康熙 1424-1425 北京市昌平区明十三陵景区内
仁宗皇帝とその皇后「張氏」の合葬墓。
1425年5月に欽安殿にて崩御。同年に7月に着工し9月に葬られ、1443年3月に完成した。
長陵や昭陵、定陵以外ではもっとも修復の進んだ陵墓である。
近い（遠い）将来開放される日もくることだろう。（下記画像は2003.8現在のもの）

▲陵門前
 ▲献陵全景



明 景　陵 JING　LING

陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
景陵 朱瞻基（宣宗・章皇帝） 宣德 1425-1435 北京市昌平区明十三陵景区内
宣宗皇帝とその皇后「孫氏」の合葬墓。

この景陵も未開放陵墓である。既に陵内の整備がほぼ完了しているとのことで、、、
近い（遠い）将来開放される日もくることだろう。（下記画像は2003.8現在のもの）

▲陵門前
 ▲景陵全景



明 裕　陵 YU　LING

陵名 皇帝名（廟号・諡号） 年号 在位 所在地
裕陵 朱祁鎮（英宗・睿皇帝） 正統
天順		 1436-1449
1457-1464		 北京市昌平区明十三陵景区内
英宗皇帝とその皇后「銭氏」「周氏」の合葬墓。

9歳にて即位した英宗。即位時は社会経済の発展期でもあり、国家は安泰していた。
国が豊かになると、内面から黒雲がたちこめる…いつの世も同じだ。
宦官の王振の悪意が発端となり起こるべくして起こった「土木の変」。
北方部族（オイラト）の捕虜となった英宗であったが、奪門の変にて再び皇帝の座に返り咲く。
前後して22年間の在位があり長期政権とみられがちだが、亡くなったとき38歳という年齢であった。
明代は初期と晩期の歴史に目が行きがちだが、このあたりも実に興味深い。
時間の許す限り明史を読まれることをおすすめする。

▲裕陵神道
 ▲裕陵明楼